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放課後等デイサービス開業の資金調達方法とは?無利子の融資制度も解説

放課後等デイサービスの開業時に必要な資金は、一般的に1500万円程度と言われています。とはいえ、個人で全額を用意するのは現実的ではありません。自己資金300万円の場合、1200万円程度を外部から調達、助成、補助などしてもらう必要があります。本記事では、放課後等デイサービス創業時における最も一般的な資金調達方法である、『融資』について解説します。

放課後等デイサービス事業に利用できる資金調達の方法

融資について

融資って何?

そもそも融資とは何でしょうか?おそらくは「聞いたことがあるけれど、厳密な意味はわからない」という方がほとんどだと思います。融資とは【金融機関が事業に必要な資金を貸すこと】を指します。もっと簡単に言えば、金融機関からの借り入れです。借り入れというと、借金というイメージがあるかと思いますが、『借金』と『融資』とではその性質が全く違います。

融資と借金の違い

では、日常生活で耳にする借金と融資で、一体何が違うのでしょうか?一般的に個人がする借金(あるいはローン)の目的は、ほとんどが消費を目的としています。対して、融資とは事業を起ち上げる、あるいは事業を継続するという目的のものです。基本的に、事業は利益を上げるために行われるものですから、消費を目的とした借金とは大きく異なります。

融資を得られると信用アップ?

借金には「お金にだらしない」などの負のイメージがありがちですが、融資を受けることはむしろ正反対。身分証の提示程度で済む借金と違い、金融機関からの融資を受けるためには、根拠を持った綿密な事業計画を立てて、金融機関から承認されなければなりません。つまり、融資を受けるということは「金融機関がお金を貸すに値すると認めた会社(法人)」ということになり、社会的信用を得られるという側面があります。社会的意義の強い放課後等デイサービス事業や、ほかの福祉事業にとっては嬉しい評価ですね。

融資の種類

融資には2種類あり、公的金融機関からの公的融資と、民間金融機関からの民間融資に分けられます。

民間融資

創業時や創業間もない時期に、民間融資を受けることはかなりハードルが高いので、まずは公的融資を検討しましょう。基本的に民間融資は、事業が始まって数年経ってからのものと認識しておきます。

公的融資

公的融資は民間に比べると、創業時あるいは創業間もない時期に受けられる融資制度が多く準備されています。放課後等デイサービスの開業資金として申し込める、代表的なものは下記の3つとなります。

  • 日本政策金融公庫【新創業融資制度】【ソーシャルビジネス支援資金】
  • 各自治体【中小企業向け融資制度】
  • 独立行政法人福祉医療機構【融資制度】

日本政策金融公庫【新創業融資制度】【ソーシャルビジネス支援資金】

日本政策金融公庫とは、”政策”の名のとおり、国が運営する金融機関です。

2008年にかつての中小企業金融公庫、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫の3つが統合され、中小企業や個人事業主への支援を目的にした日本政策金融公庫となりました。

そのため、民間の金融機関では融資が困難な、創業時支援に積極的な公的金融機関です。

日本政策金融公庫の特徴

  • 原則、無担保&無保証人
  • 金利が低い
  • 返済期間が長め
  • 創業時に利用しやすい

各自治体【中小企業向け融資制度】

各自治体で少しずつ違う名称ですが、ほとんどが中小企業向け融資制度と似た名称で、大きくは『制度融資』と呼ばれています。こちらの運営の仕組みは、窓口が地方自治体、お金を貸すのが民間金融機関、保証は信用保証協会という、三者が連携して融資を行うようになっています。窓口が地方自治体のため、公的融資に分類されます。

各自治体制度融資の特徴

  • 連帯保証人が不要
  • 金利が低い
  • 金利負担制度を利用できる
  • 日本政策金融公庫と併用可

独立行政法人福祉医療機構【福祉貸付事業】

日本政策金融公庫や自治体制度融資は、放課後等デイサービスや福祉事業に限らず利用可能ですが、独立行政法人福祉医療機構が行っている融資制度は『福祉貸付事業』という名称で、福祉事業に向けた融資となっているため、放課後等デイサービス事業で利用しやすい融資制度です。土地建物などの設備資金と経営資金を融資してくれます。放課後等デイサービス事業の場合は、経営資金融資での利用が多いでしょう。

福祉貸付事業の特徴

  • 低金利(日本政策金融公庫や各自治体制度融資より更に低い)
  • 福祉事業への融資を想定して制度設計されている

重症心身障がい児(者)施設への融資例

重症心身障がい児(者)施設向け施設への、融資実例をご紹介します。

一般財団法人地域総合整備財団〈ふるさと財団〉【ふるさと融資】

愛媛県新居浜市の社会福祉法人が、ふるさと融資を利用し、複合型障がい者施設建設事業を行いました。新居浜市のある東予地域では、重症心身障がい児(者)向けの通所型支援施設が無かったため、地域住民の福祉事業ニーズに応えての建設となり、8千万円の融資が行われました。このように地域振興に資する事業が対象で、土地建物の取得が対象、さらには限度額が大きいことから、放課後等デイサービスを含めた、初期費用が大きくなりがちな重症心身障がい児(者)施設開業に、相性のよい融資制度と言えるでしょう。

ふるさと融資の特徴

  • 無金利
  • 返済期間が長め
  • 限度額が非常に大きい(条件により10億円〜63億円)
  • 土地建物の取得が対象(経営資金は含まれない)

まとめ

放課後等デイサービスのほか、福祉事業の開業時に使える資金調達方法について解説しました。事業の立ち上げ時にはまず、民間融資よりも公的融資を検討しましょう。ただ、民間融資よりもハードルが低いとはいえ、しっかりとした事業計画や収支、返済の計画が必要です。オールケアグループでは、放課後等デイサービス起業計画のご相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。

参考リンク

日本政策金融公庫 新創業融資制度

日本政策金融公庫 ソーシャル・ビジネス支援資金

大阪府 中小企業向け制度融資のご案内

独立行政法人福祉医療機構 福祉貸付事業

一般財団法人地域総合整備財団(ふるさと財団) ふるさと融資

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