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新規開業、立ち上げなら重症心身障がい児向け放課後等デイサービスがおすすめ!

近年、放課後等デイサービスの新規開業・立ち上げが増えました。全国的にはまだまだと言え、地域によっては需要を満たせるレベルに近づいています。一方で、重症心身障がい児向けの放課後等デイサービスは、その需要に対して事業所の数が全く追いついていません。全国的な調査の数値を見ながら、重症心身障がい児向け放課後等デイサービス立ち上げの重要性を解説します。

※本記事では「主として重症心身障がい児を通わせる指定放課後等デイサービス事業所」を”重症心身障がい児向け放課後等デイサービス”、そうでない一般的な事業所を指す場合は単に”放課後等デイサービス”と表現しています。

重症心身障がい児とは

重度の肢体不自由と重度の知的障がいとが、重複した状態を重症心身障がいといい、その状態にある子どもを重症心身障がい児、さらに成人した人を含めて「重症心身障がい児(者)」と呼びます。ちなみにこれは医学的診断名でなく、児童福祉法上の定義です。厚生労働省の資料によれば、全国でその数が43,000人と推計されています。

かつて昭和の時代、重症心身障がい児が利用できる施設といえば、重症心身障がい児施設か国立療養所にある重症児病棟でしたが、今ではノーマライゼーションの理念に基づき「どんなに重い障がいがあっても、慣れ親しんだ地域での生活ができるようにすることが重要」という考え方に変わってきています。そのため、重症心身障がい児に向けた障がい福祉事業所が、全国で必要とされています。特に、心身ともに成長過程にある就学年齢(6〜18歳、場合によって20歳まで)が利用できる、放課後等デイサービスを立ち上げることは、社会的意義が高いと言えるでしょう。

圧倒的に足りない!重症心身障がい児向け放課後等デイサービス事業所

日本全国で、重症心身障がい児が利用できる放課後等デイサービスが必要とされている状況です。にもかかわらず、全国の放課後等デイサービス事業所を対象とした令和2年のみずほ情報総研の調査によると、「主として重症心身障がい児を通わせる指定放課後等デイサービス事業所」の指定を受けている」事業所は全体の11.2%で、およそ1,436カ所です。

同調査時点の放課後等デイサービス利用者数177,888人に対し事業所数は13,052カ所で、一事業所あたり13.6人の利用者となります。しかし、重症心身障がい児向け放課後等デイサービスは、43,000人に対して1,436カ所で一事業所あたり29.9人の利用者となります。もちろんこれは単純に数を割っただけの計算ですので、各地域の実情とは異なります。

放課後等デイサービスの利用定員は最低10人ですので、一事業所あたり13.6人の利用者に対して、事業所が少し不足している状況です。対して、重症心身障がい児向け放課後等デイサービスは、利用者各個人にあわせた対応が必要なため,

その利用定員は最低5人とされています。定員5人の事業所に対して、29.9人の需要があるわけですから、重症心身障がい児向け放課後等デイサービスの数が、全然足りない状況です。新規事業所の開業、立ち上げが望まれているわけですね。

重症心身障がい児向け放課後等デイサービスは、需要に対し圧倒的に事業所が足りていない

数だけじゃない?放課後等デイサービス自体が地方にない!

単純な事業所数では、需要に近づきつつある放課後等デイサービスですが、市区町村別に見ていくと別の面が見て取れます。上記、みずほ情報総研の調査によれば、市区町村内にある放課後等デイサービス事業所の数を0カ所と回答した市区町村は、実に全体の18.9%にのぼります。

地方別にみると、関東や東海、北陸、近畿では、放課後等デイサービスの事業所数が10カ所以上が 30%を超えていますが、北海道や東北、信越、四国の各地方では、0カ所と回答した市区町村が30%を超えています。

また、いわゆる『大都市』と呼ばれるような中核市や政令指定都市では、10カ所以上が 95%程度とかなり高水準なのに対して、町村レベルの実に40.6%が0カ所と回答しており、地方での放課後等デイサービス開業、立ち上げの需要はかなり高いと言えるでしょう。重症心身障がい児向けではない放課後等デイサービスですらこの現状ですから、地方における重症心身障がい児向けの放課後等デイサービス立ち上げは急務です。事業所がないエリアでの開業は社会的意義が高く、場合によっては助成金などの対象になることがあります。事前調査や地域の担当者への聞き取りで、しっかりと把握しておきましょう。

重症心身障がい児向け放課後等デイサービスの現在と今後

現状を受け厚生労働省は、2024年までに重症心身障がい児向け放課後等デイサービスを増加させるため、障がい児措置費・給付費予算額を15年間で約8倍に増額するとしています。まさに今は、開業するのに良いタイミングと言えるでしょう。

主として重症心身障がい児を受け入れる場合の人員基準

重症心身障がい児向け放課後等デイサービスを立ち上げる場合、設備はもちろんですが、専用の人員基準を満たす必要があります。下記がその基準となりますので、しっかりと押さえておきましょう。

  • 嘱託医:1人以上
  • 看護職員:1人以上
  • 児童指導員又は保育士:1人以上
  • 機能訓練担当職員:1人以上
  • 児童発達支援管理責任者:1人以上

重症心身障がい児(者)向け施設の今後

社会的には、重症心身障がい児向け放課後等デイサービスが、需要に対して全く足りていない状況のため、事業所の立ち上げ数を増やすことが急がれています。しかしながら、利用者本人やご家族、あるいは支援をするスタッフや施設といった現場レベルでは、利用対象外となる18歳以上についても対応できる体制づくりが求められています。

重症心身障がい児(者)に関しては、各個人の特性それぞれに合わせた支援が必要となるため、成長した後でも本人をよく知るスタッフが継続して関わることができる『児者一貫』が重要です。児者一貫の施設については、また別の機会に解説いたしますが、今後ますます重症心身障がい児向け放課後等デイサービスの需要は高まっていくため、本記事を読んでくださっている方の開業・立ち上げを、オールケア学院が全面的にサポートいたします。お気軽にお問い合わせください。

参考

厚生労働省:障害児及び障害児支援の現状

みずほ情報総研株式会社:放課後等デイサービスの実態把握及び質に関する調査研究報告書

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