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【2021年改正】放課後等デイサービスを開業するための基準を解説

放課後等デイサービスは、特別な資格がなくても開業が可能なため、比較的起業しやすい福祉事業と言われていますが、2021年に人員に関する基準を含めた制度の改正が行われました。現在の放課後等デイサービスの起業には、どのような準備が必要なのでしょうか。ここでは2021年の制度改正に基づき、放課後等デイサービスを開業するための基準を解説します。

放課後等デイサービスとは

放課後等デイサービスとは、障がいや発達に特性のある子どもへの支援を目的とした、通所型福祉サービスの一つです。2012年に児童福祉法によって制定され、それまでの児童デイサービスから就学児向けのサービスとして特化しました。

利用できる年齢は基本的に6歳から18歳(小学校1年生から高校3年生)で、”放課後等”の名前どおり、放課後や休日、夏休み等の長期休暇に利用が可能です。

障がい者(児)の現状と放課後等デイサービス

2019年の内閣府の発表(厚生労働省調査)では、日本における障がい者(障がい児含む)の概数は962万人となっていて、国民のおよそ7.6%がなんらかの障がいを持っているとされています。そのうち、17歳までの知的障がい児の数は増加の一途をたどり、1995年に8.6万人だったものが2016年には21.4万人と、20年で約2.5倍になっています。

資料:令和元年版 障害者白書

一方、放課後等デイサービス事業所数ですが、スタートの2012年には2,887箇所だったものが2016年には9,306箇所、2019年には14,046箇所となりました。利用者数も併せて増加しており、まだまだ新規に開業をする放課後等デイサービスが必要とされている状況です。

放課後等デイサービスを開業するための条件

冒頭にも書きましたが、放課後等デイサービスを開業するにあたって、オーナーに特別な資格や業界経験は必要ありません。以下、4つの基準(2021年3月改正)を満たして認可指定を受ければ、開業は可能です。

  1. 法人であること
  2. 人員に関する基準
  3. 設備に関する基準
  4. 運営に関する基準

では、基準の具体的な内容を順に確認していきましょう。

法人であること

個人で放課後等デイサービス事業所の指定を受けることはできません。株式会社や合同会社、社会福祉法人またはNPO法人などの法人格を持ち、事業目的に介護事業を行うという旨を記載します。すでに法人格を持っていて、新規に放課後等デイサービスを起業・開業する場合は定款の事業目的変更の手続きを行ってください。

人員に関する基準

【管理者】

必要な人数:1人

勤務形態:兼務可

【児童発達管理責任者】

(1)以下2つの実務経験を満たす必要があります。

・相談支援業務、直接支援業務、国家資格等を必要とする業務を5年以上

・障がい者や子どもを対象とした、相談支援業務または直接支援業務を3年以上

(2)研修修了者

必要な人数:1人以上

勤務形態:専任かつ常勤(管理者との兼任は可能)

【児童指導員・保育士 】

必要な人数

障がい児が10名までの場合:2人以上

障がい児が10名を超える場合:2人以上+5名まで毎に1人以上(例:障がい児15名なら3人以上、障がい児16名なら4人以上)

勤務形態:常勤が1人以上

主として重症心身障がい児を受け入れる場合

嘱託医:1人以上

看護職員:1人以上

児童指導員又は保育士:1人以上

機能訓練担当職員:1人以上

児童発達支援管理責任者:1人以上

設備に関する基準

指導訓練室

子ども達が過ごす部屋です。障がい児1名あたり、2.47㎡以上が必要ですが、地域によって多少異なります。火災、地震などの災害時に備え、出入り口の他に複数の避難経路を設置しましょう。

ほか、受け入れる子どもの特性に合わせた機械器具等を揃えることも必要です。

・相談室

相談の内容が漏れることが無いよう、遮蔽物などを設置し、プライバシーに配慮します。

・トイレ、洗面台

衛生面に配慮し、手指消毒のため石鹸やアルコール消毒などを用意。感染症の予防に努めましょう。

受け入れる障がいの種類にもよりますが、介助者や車いすが入れる程度の広さも必要です。

・事務室

事業所の運営のための場所です。設備備品や職員を収容できる広さを確保します。

なお、放課後等デイサービスの物件選びについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

運営に関する基準

・利用定員が10名以上であること

主として重症心身障がい児を受け入れる場合の利用定員は、5名以上です。

重症心身障がい児向けの放課後等デイサービスの開業については、少々準備が大変ではあるものの、全国的に事業所の絶対数が足らないため、非常に社会的意義のある取り組みかつ、競合の少ないジャンルであると言えるでしょう。

・放課後等デイサービスの個別支援計画が作成されていること

​​児童発達支援管理責任者の業務です。子どもの特性や発達過程をよく理解し、個別の状況に応じた個別支援計画を行わなければなりません。

この計画は、学校における個別の教育支援計画等と連動する必要があります。

・サービス内容や手続きの説明と同意

管理者、設置者は、保護者や子どもが放課後等デイサービスを円滑に利用できるための説明責任と、必要な支援を行う責務があります。

サービスの内容、特に利用者負担については丁寧な説明が必要です。十分な説明の上で子どもと保護者の同意を得た後に、サービス開始となります。

・サービス利用者の指導、訓練等の実施

子どもの発達のために必要と考えられる基本的な生活習慣や、自立した生活を支援するための訓練を行います。放課後等デイサービスは単なる「子どもを預かる場所」ではないということを意識し、子どもが積極的に参加できるプログラムを実施し、自己肯定感を高められるような成功体験を積めるよう配慮します。

・利用者や家族からの相談と援助

日頃から保護者と、子どもの発達状況や課題についてよく話し合い、共通の認識を抱いておくことが大切です。保護者から相談があった場合は、適切な支援や助言を行いましょう。

子どもの障がいについて、保護者が十分受容できていない場合もあります。その時は、カウンセリング等も実施し、記録に残しながら、把握と管理を行いましょう。

・利用者管理台帳(サービス提供時の記録、事故の記録、苦情の記録など)の準備

一人ひとりの子どもについて、具体的に日々の記録を残しましょう。管理者や職員が、状況を把握しやすく管理できるようにします。

・利用者の病状急変時等における緊急体制の整備

予め、近隣の協力医療機関を定めて、急な事態に備えます。

オールケアグループの放課後等デイサービス事例

オールケア・グループの放課後等デイサービスでは、スタッフ全員が「家族のように」接しています。利用者のできることを保護者の方と一緒に考えながら、できること、成功体験を増やしていきます。日々の活動や生活から経験を積み重ねて、親子もスタッフもみんなが成長できるよう、楽しみながら過ごしています。

まとめと放課後等デイサービスの今後

開業にあたり、オーナーや管理者に資格のいらない放課後等デイサービスは、他の福祉事業と比較すると参入障壁が低く事業所数も伸びていますが、その分、近年では”単なる子どもの預かり所”的な事業所も増え、サービスの質が問われ始めています。

オールケア学院では、放課後等デイサービスの起業や経営についての相談を承っておりますので、お気軽にご相談ください。当グループの豊富なノウハウを活かし、これからの時代に求められる質の高い放課後等デイサービス運営をご支援致します。

参考リンク

内閣府 令和元年版障害者白書

厚生労働省 児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準

厚生労働省 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準

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