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介護の負担やストレスで介護うつ!?介護うつの原因と対策、予防法とは

介護において不安やストレスが原因となり、発症するうつ病を「介護うつ」といいます。家族や身内に障がい者がいて日々介護を続ける人にとって、心身の疲労や負担は大きく、近年では介護する側のケアの重要性も大きく取り上げられるようになりました。介護うつの発症は介護をする人、受ける人にとって辛い状況を生み出してしまいます。今回は、現在介護をしている方、これから介護を始める方へ、介護うつの症状や原因、対処法や予防法をご紹介します。

介護うつとは

介護うつとは、介護を通して蓄積された疲れやストレスが原因となり、うつ病を発症することです。介護は長期化することが多く、自宅などで介護を行っている場合、ストレスを溜め込んでしまい、自分でも気づかないうちに介護うつになってしまうという事があります。この”気づかないうちに”というところが、介護うつの注意すべき点です。

介護うつの原因

介護うつの主な原因は、介護による肉体的な疲れや、精神面や経済的な負担が挙げられます。また、その介護をする方の性格も、うつの発症に大きく影響してきます。

  • 精神的負担

周囲に相談する人がいないほど、精神的負担を感じやすい傾向にあります。ひとりで在宅介護をしていると、孤独感や不安からうつ症状を引き起こす可能性が高まります。自分の時間を確保できず、ストレスが積み重なるケースもあります。

  • 肉体的負担

身体的な負担が大きい介護が続いたり、介護のために十分な睡眠が取れずに、身体的な疲れが抜けずにいたりの状態が長く続くと、それがうつ発症の原因となることがあります。

  • 経済的負担

要介護度や障がいがある本人の状態によっては、常に介護者が付き添っていなければいけない場合があり、それが原因となり仕事を退職せざるを得ないケースも少なくありません。退職後、金銭的な余裕がなくなると、自分の好きな事ややりたい事ができず、ストレスを溜め込んでしまう事になります。

うつになりやすい人の傾向

介護の負担が大きい方全てが、必ずしも介護うつを発症するわけではありません。環境に左右されるところも大きいですが、介護うつに陥りやすい人には性格的な傾向があります。ここでは、介護うつになりやすい方の傾向について解説します。

  • 責任感が強い

責任感が強い人は、色々な悩みや負担などをひとりで抱え込む事が多く、人に頼るのを苦手としてることが多くあります。疲れが溜まっていても、無理して介護を続けてしまう点に注意が必要です。

  • 真面目で完璧主義

几帳面で真面目な性格な人も、介護うつになりやすい傾向が強くあります。手を抜くことができなかったり、失敗した事、できないことに対してストレスを感じてしまいます。

  • 気が弱い

気が弱い人は、仕事や介護に常に不安や心配を抱えている事があります。また、人の頼みを断り切れず、自分ひとりで色々な事を抱え込みすぎてしまう事もあり、それが介護うつの原因になってしまう事もあります。

  • 経済的な余裕がない

介護は長期に渡る場合がほとんどです。経済的な余裕がないという事は介護者にとって、とても大きな不安要素となります。経済状況により介護サービスなどを利用できず、介護者の負担が大きくなってしまい、介護うつの発症へと繋がるケースも少なくありません。

介護うつの症状

介護うつには様々な症状があります。自覚がないままうつを発症し、症状が進行し悪化してしまう事もあります。以下に代表的なうつの症状を挙げますので、項目を見て自己チェックを行い、いくつか当てはまる場合は、悪化する前に対策を行うようにしましょう。

  • 食欲不振や増加

介護うつが発症すると、全く食欲が湧かなくなったり、逆に食べ過ぎてしまったりする事があります。不規則な食事は体力の低下や、体調不良の原因になる事もあります。

  • 睡眠障がい

疲れているのにも関わらず眠れなくなったり、夜中に何度も目が覚めるようになったりします。睡眠障がいは疲労の蓄積にも繋がり、さらには不眠症を引き起こします。

  • 疲労感や倦怠感

身体が疲れやすくなり、疲労感や倦怠感が抜けず、それに伴い肩こりや頭痛などを発症する事があります。

  • 不安や焦燥感

原因不明の不安や焦燥感に襲われ、気持が不安定になり、落ち着きが無くなります。

  • 思考障がい

気分が落ち込み、いつもなら楽しめる事が楽しめなくなったり、周囲の物事に対して無関心で消極的になります。

上記は、自分では気づきにくいものもありますが、食欲や睡眠については自覚しやすい症状と言えます。このような状態が2週間以上続くと、介護うつである可能性が高いため、症状が進行する前に自分へのケアを考えるようにしましょう。また、厚生労働省が出している『簡易抑うつ症状尺度(QIDS -J)※文末にリンク』を使ったセルフチェックという方法もあります。回答に応じた点数が、合計6点を超える場合は介護うつの可能性があるため、介護環境改善や医療機関への受診をおすすめします。

介護うつを予防するには?

介護うつは、いくつかのポイントに注意することで予防する事もできます。ここでは、介護うつの予防策について説明をしていきます。

  • 家族に協力をしてもらう

介護を自分ひとりで行うということは、負担も責任もとても大きく背負ってしまうことになります。家族、あるいは親しい身内の方に協力してもらうことで負担や責任が軽減されるので、介護うつの予防に効果的です。しかし、この記事をご覧いただいている方の中には「そもそも頼める家族がいない」「家族で分担してるけど、もう限界に近い」という方もおられると思います。そのような場合は、無理に家族間だけ完結しようとせず、下記の方法のご検討や、オールケア学院にご相談ください。

  • 介護サービスを活用する

自分だけで介護を行うのではなく、ときには介護の専門家の力を借りることも大切です。介護負担を減らす上で、介護サービスの利用は欠かせません。介護サービスには通所型やショートステイなど様々なものがあります。施設によっては食事や入浴などの補助の他に、送迎も行ってくれるところもあるので、介護者の負担を大きく減らしてくれます。ケアマネージャーや介護福祉士など、介護の専門家と相談しながら、心身の負担を軽減できる体制を整えておきましょう。

  • 自分の時間を作る

介護から離れて、自分の好きな事や、楽しいことに集中する時間を持つことは介護うつの予防にとても効果的です。近年では、介護者自身の心身のケアが重要視されるようになり、『レスパイトケア』と呼称されるようになりました。レスパイトケアが可能となる介護サービス(レスパイトサービス)を上手に利用しながら、自分の時間を作り、趣味や買い物、好きな食事など、一時的にでも介護から離れてみましょう。そうすることで心の余裕ができ、心身のリフレッシュへと繋がります。

介護うつの対策として一番重要となるのが、自分ひとりで抱え込み過ぎない事です。親族の協力や、介護サービスの利用など周りからの協力を得ることで、介護うつから自分を守る事ができます。介護する側とされる側、双方にとって、より良いケアにつながります。

介護うつになったらどうすればいいのか?

もし、介護うつになってしまった場合はどのように対処すれば良いのでしょうか?介護うつはただの気分の浮き沈みではありません。うつ症状は完治するまでに長い時間がかかる場合が多く、自力で治すことは容易ではありません。かといってそのまま放置してしまうと、より症状が深刻になってしまう事もあります。介護うつの症状がみられた場合、まずは精神科や心療内科などの医療機関で、専門家による適切な診断と治療を受けるようにしましょう。ただし、介護うつに陥った根本の原因・環境が改善されなければ、繰り返しうつ症状が出る可能性がありますので、レスパイトサービスも併せて利用するようにしましょう。

参考:ショートステイ(短期入所)はどんなサービス?利用者のご家族を助ける重要な側面も!?

介護うつにならないために、オールケア・グループが全力でサポート

オールケア・グループの施設は、大阪府内において、重症心身障がい者・児や医療的ケアの必要な方々に、主にご利用いただいております。サービスのご利用相談はもちろん、まず色々と話を聞きたいという方もお気軽にお問い合わせください。

さらには、ご利用者様やご家族のため、オールケア・グループでともに働いてくださる方も募集しております。オンライン説明会なども行っておりますので、まずはお問い合わせくださいませ。

介護うつについてまとめ

  • 介護に伴う様々な負担が、介護うつの原因となる
  • 真面目で責任感の強い人ほど注意
  • 食欲不振や不安定な睡眠は介護うつのサイン
  • 介護うつの対策は、ひとりで抱え込みすぎないこと
  • ショートステイなど、介護サービスを利用して介護うつ対策をする

参考リンク

厚生労働省:仕事と介護 両立のポイント

厚生労働省:簡易抑うつ症状尺度(QIDS -J)

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